2024.06.04

愛犬との至福のひととき、散歩で繋がろう!

犬の散歩は必要?毎日散歩するべき?

歩くことは、飼い主と愛犬の健康を維持する上で非常に重要です。
以前は小型犬でも散歩は不要と考えられることもありましたが、現在ではどんな犬種にも散歩が必要だと認識されています。散歩は、犬の健康を維持するために身体的にも精神的にも極めて重要です。室内飼いでは適切な運動を確保するのが難しく、散歩を怠ると肥満や筋肉量の減少などのリスクがあります。RSPCAの調査によれば、犬の40%以上が肥満または肥満気味であるとされており、その数はかなりのものです。また、ニューサウスウェールズ大学の最近の調査では、飼い主の半数以上が愛犬をまったく散歩に連れて行っていないことが明らかになっています。

さらに、散歩を怠ると適切なストレス発散ができず、いたずら行動が増えたり、最悪の場合はストレスによる病気にかかる可能性もあります。適切な回数と距離の散歩を通じて、愛犬が健康的に過ごせるようにしましょう。

 

 

犬の散歩は何歳からスタートすればいい?

犬の散歩は、子犬が伝染病ワクチンを接種し終えた後から始めるのが良いでしょう。初めての散歩は個々の犬の体調によりますので、ワクチン接種の際には獣医師に相談し、「いつから散歩に行けますか?」などと聞くことをおすすめします。

また、実際の散歩を始める前に、キャリーバッグや抱っこで外に連れ出し、徐々に外の環境に慣れさせることが大切です。

 

犬の散歩のメリットとは?

散歩は、犬の運動能力や体力を維持し、外部の匂いや音、風、温度などのさまざまな刺激を与えることで、脳や神経系を活性化させる効果があります。また、散歩を通じて、他の犬や人間と触れ合い社会性を身に付けます。

 

1.関節の健康

散歩や運動を通じて関節を強化し、丈夫な体を作ることができます。老犬であっても、定期的な散歩が必要です。運動によって体を使わなければ、関節の働きが衰えてしまいます。定期的な散歩は関節の健康を維持し、老犬の健康を促進します。

 

2.体重管理

十分な散歩をすることは、体重管理においても効果的です。健康的な体重を維持するためには、私たちも愛犬も1日の摂取カロリーと消費カロリーのバランスが大切です。もし摂取カロリーが消費カロリーを上回っている場合、それが肥満の原因となります。

 

3.消化や泌尿器の健康維持

散歩による適度な運動は、消化にもいい影響を与えます。愛犬が排尿することで膀胱を定期的に空にする利点もあります。定期的に排尿を行わないと、感染症のリスクが高まります。散歩に行くことは、消化器と泌尿器の健康を維持する上でも有益です。

 

4.メンタルヘルス

犬も人間と同じで一日中家にいることで、ストレスも溜まり健康に良くありません。脳も他の筋肉と同様に、定期的な刺激が必要です。散歩は、愛犬に新しい刺激を与える最適な方法の一つです。日光を浴び、新しい景色、匂い、音、触感など、さまざまな刺激を与えることができます。さらに、公園やビーチ、ハイキングやトレイルウォークなど、様々な場所に愛犬を連れて行くことで、効果が高まります。愛犬と一緒に外出時間を楽しみましょう♪

また、日中にエネルギーをしっかりと消費することで、愛犬が夜によく眠れるというプラスの効果もあります。おかげで、飼い主も夜によく眠れるようになるかもしれませんね★

 

5.しつけのできた立派な愛犬

あまり社交的でなく、他の犬や人に会わせるのが大変だという犬が、あなたの周りにもいるのではないかと思います。発育の早い段階(生後9~12週間)でさまざまな社会的環境を体験させることは、正常な行動発達を妨げないためにも大切なことです。ドッグランや散歩で他の犬や人と触れ合うことで、愛犬が社会的な交流を身に着け、しつけのできた立派な愛犬に育つでしょう。

 

 

犬と散歩する前の注意点

 ・リードは短く持ち、常に愛犬が目に入るようにする

お散歩をするときは、かならず、リードは短く持ちましょう。自転車や車などには気を付けましょう。排水溝の穴は、ちょうど小型犬や中型犬の子の足が、すっぽり入ってしまいます。また、排水溝は滑りやすいため、大型犬のわんちゃんも要注意です。常に、愛犬をからだのそばに寄せておきましょう

・拾い食いに注意

犬は好奇心旺盛で様々なものに興味を持ちやすいので、散歩中に道に落ちている物を口にしてしまいます。

落ちているものの中には、たばこやガムなど、決して食べさせてはいけないゴミも含まれています。愛犬が誤ってそれらを食べないように、散歩中は愛犬の様子を注意深く観察しましょう。

 

 

散歩の時間はどれくらい?

小型犬・中型犬の散歩時間

小型犬、例えばチワワやトイプードルのような種類では、1日に2回、それぞれ15~30分ほどの散歩。ただし、小型犬にも様々な体型や個性があり、散歩の必要量はその犬の特性により異なります。そのため、犬の様子を見ながら散歩を調整しましょう。

小型犬は地面に近く、暑さや地面の熱、寒さが直接影響しますので、散歩の前に地面の温度を確認することが重要です。

中型犬、例えば柴犬やコーギーなどの種類では、1日に2回、それぞれ45分ほどの散歩。

小型犬も中型犬も、家での行動や吠える頻度などを観察し、犬のエネルギーが余っているようであれば、散歩の量を増やすことも検討しましょう。

 

大型犬の散歩時間

秋田犬やドーベルマンなどの大型犬は、1日に2回、それぞれ60分から90分程度の散歩。これは、小型犬や中型犬と比較して散歩時間が倍近くになることもあるため、犬を飼う予定の方は留意しておくべきです。

大型犬の場合も、個体差を考慮する必要があります。年齢が高い場合や身体に故障がある場合は、散歩量を減らす必要があります。さらに、高齢であったり持病を抱えている場合、または帰宅後に息が切れたり過度に疲れているようであれば、散歩時間を短縮することも検討すべきです。

 

 

わんこが歩かないときの対処法

愛犬が散歩を拒む、散歩の途中で歩かなくなってしまうような場合には、それなりに理由があります。
・過去のトラウマ
散歩中に騒音や大きな音に驚いたり、他の犬に吠えられたりするような恐怖体験があると、散歩に対して「嫌なことが起こる」というネガティブなイメージを抱くことがあります。つまり、過去の恐怖体験がトラウマやストレスとなり、散歩を拒むようになるのです。特に外の環境に慣れていない子犬の場合、無理に外に連れ出すことでストレスを感じ、散歩を嫌う可能性があります。
→ そのため、散歩を楽しい経験として覚えさせることが非常に重要です。散歩中に愛犬に話しかけたり、アイコンタクトをとったりして、反応があった際に褒めることで、不安や緊張が和らぎ、愛犬が安心して歩くことができるようになります。

・散歩コースの不安

人間が好きな散歩コースがあるように、犬も行きたい道や行きたくない道があります。例えば、柑橘類や化学物質のニオイがする場所は犬にとって不快であり、そのような場所に近づくと「行きたくない!」と立ち止まることがあります。また、道幅が狭かったり、交通量が多かったりする場所は、警戒心の強い犬にとって散歩を拒む理由となることがあります。

→ 愛犬が苦手なものが通常の散歩コース上にある場合、コースを変更することで問題を解決することができます。しかし、コース変更が難しい場合は、愛犬が苦手とする場所だけを避けて抱っこやペットカートで移動する方法を検討してみましょう。
愛犬が喜ぶコースやお気に入りの場所を見つけることができれば、散歩はさらに楽しいものになるでしょう。

 

・対応としつけ

犬が歩くことを嫌う原因には、飼い主の間違ったしつけや対応も含まれます。例えば、散歩中に歩かないからといってすぐに抱っこしたり、ペットカートに乗せたり、おやつを与えたりすると、犬が「立ち止まると良いことが起こる!」と勘違いしてしまう可能性があります。
→ おやつは、何かを達成できた時のご褒美として上手に活用しましょう。特にペットカートの頻繁な使用は、愛犬の運動不足や筋力低下につながるおそれがあるため、なるべく使わないようにしましょう。

 

・気候

確かに、私たち人間も暑い季節は外に出たくなくなりますよね。犬も同様に暑さに弱く、地面からの照り返しや呼吸による体温調節が主なため、熱中症にかかりやすいと言われています。そのため、暑さが原因で散歩を嫌がることがあります。特に小型犬は頭が地面に近いため、熱中症になりやすいとされていますので、十分な注意が必要です。
→ 夏はなるべく日差しの強い時間帯は避けてあげるようにしましょう。暑さだけでなく寒さも苦手で、散歩を拒む犬もいますので冬は服を着させてあげるなどの工夫をしてあげましょう。さらに、雨が降ると散歩を嫌がる犬もいます。愛犬がどのような天候を嫌がるのかを把握しておくことも大切です。

 

加齢や疾病

シニア犬の体力が衰えた場合、散歩中に疲れてしまい、歩行を停止することがあります。その際は、「息づかいが荒くないか」「舌を出して呼吸が荒くなっていないか」「足を引きずっていないか」など、愛犬の状態を注意深く観察してあげましょう。
また、犬が足にケガをしたり、肥満によって足への負担が増していると、散歩を嫌がることがあります。特に、犬の関節疾患は5歳以上の犬によく見られます。この病気では、「歩くスピードの低下」「段差を避ける」「足を気にする」「歩行の変化」などの症状が現れることがあります。異変があれば早めに動物病院を受診するよう心がけましょう。また、犬は痛みを隠すことがあるため、定期的な健康診断も重要です。

→ リードを強く引っ張ったりせず、わんこのペースに合わせて歩いたり、休憩しながらゆっくりと散歩してあげましょう。

 

 

まとめ

犬の健康と幸福のためには散歩が不可欠であり、その重要性を理解するとともに、適切な方法で散歩することが大切です。愛犬が歩かない場合には、無理に叱ったりリードを引っ張ったりするのではなく、周囲の環境や愛犬の状態を配慮しながら散歩を楽しむよう心がけましょう。子犬の場合はシミュレーションを通じて慣らし、病気やケガ、加齢に伴う対策も適切に取り入れて散歩をしましょう。また、散歩中には拾い食いや交通事故などの危険にも注意し、犬の体力や個性に合った適切な散歩を心がけましょう。犬種によっても適した散歩時間が異なるため、犬を飼う際にはその点も考慮し、愛犬との豊かな散歩ライフを楽しみましょう。